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「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律」(令和7年法律第63号)が2025年6月4日に成立し、同月11日に公布されました。複数の労働法を一括して改正するもので、そのうち女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)の改正では、情報公表の義務が拡大されます。施行は2026年4月1日です。
情報公表義務の拡大
女性活躍推進法は、常時雇用する労働者が101人以上の事業主に対し、女性の職業生活における活躍に関する情報の公表を義務付けています。従来、公表項目の一部は事業主が選択できる仕組みでしたが、今回の改正により、男女の賃金の差異と女性管理職比率が公表すべき項目とされます。
対象は常時雇用する労働者が101人以上の事業主です。男女の賃金の差異については、これまで301人以上の事業主にのみ公表が求められていたため、101人以上300人以下の規模の事業主にとっては新たな対応となります。女性管理職比率は、規模を問わず新たに加わる項目です。
公表は、おおむね年1回以上、事業年度の終了後おおむね3か月以内に、公表した日を明らかにして行います。自社のウェブサイトのほか、厚生労働省の女性の活躍推進企業データベースへの掲載によることもできます。
そのほかの改正事項
女性活躍推進法については、このほかに次の改正が行われています。施行時期は改正事項ごとに異なり、次の3点は公布日である2025年6月11日に施行済みです。
- 2026年3月末までとされていた法律の有効期限が、2036年3月末まで10年間延長された
- 女性の職業生活における活躍の推進にあたり、女性の健康上の特性に配慮して行われるべき旨が、基本原則において明確化された
- 政府が策定する基本方針の記載事項の一つに、ハラスメント対策が位置付けられた
このほか、特例認定(プラチナえるぼし)の認定要件に、求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止に係る措置の内容を公表していることが追加されます。この部分は、後述するカスタマーハラスメント対策と同じく、公布の日から起算して1年6月以内で政令で定める日からの施行です。
なお、同じ改正法には、労働施策総合推進法等の改正として、カスタマーハラスメントおよび求職者等に対するセクシュアルハラスメントを防止するための措置を事業主に義務付ける内容も含まれています。これらは公布の日から起算して1年6月以内で政令で定める日から施行されるため、女性活躍推進法の情報公表義務よりも後になります。あわせて、職場における治療と就業の両立を促進するための措置を講じる努力義務も新設され、こちらは情報公表義務と同じ2026年4月1日の施行です。
実務上の準備
情報公表の義務は、公表そのものよりも、公表できる数値を把握する体制の整備に時間がかかります。男女の賃金の差異は、「全労働者」「正規雇用労働者」「非正規雇用労働者」の区分ごとに算出するもので、対象となる労働者の範囲や、賃金にどこまで含めるかの整理を要します。女性管理職比率についても、女性活躍推進法上の「管理職」が課長級および課長級より上位の役職(役員を除く)とされていることを踏まえ、自社の役職体系のどの層がこれに当たるかを整理したうえで集計することになります。
数値を公表すれば、その水準について説明を求められる場面も生じます。差異が生じている理由を分析し、必要に応じて説明を準備しておくことが、公表と併せて求められる対応といえます。一般事業主行動計画の内容とも整合させておく必要があります。
ロジットパートナーズ法律会計事務所のサービス
当事務所では、規程・ポリシー整備において、一般事業主行動計画や社内規程の整備に対応しています。情報公表の前提となる集計方法の整理や、公表内容についての検討も、あわせて扱います(法務コンサルティング)。
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