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DDoS攻撃事案とランサムウェア事案について、官公署への報告に用いる共通様式の運用が2025年10月1日に始まりました。従来は報告先ごとに様式が異なっていたところ、複数の官公署への報告等に共通して利用できる様式を設けるものです。
参考記事: サイバー対処能力強化法の成立(2025年5月27日)
共通様式でできること
この取組みは、サイバー攻撃による被害が発生した場合の報告手続等に関する申合せ(2025年5月28日関係省庁申合せ、同年9月25日一部改正)に基づくものです。DDoS攻撃とランサムウェアが先行して対象とされたのは、サイバー攻撃であることが発生時から明白なことが多く、初動対応の最中に報告することになるうえ、件数も多いためです。様式はDDoS攻撃事案とランサムウェア事案の2種類で、記載例(DDoS・ランサムウェア)もあわせて公表されています。
共通様式は、次の手続に用いることができます。
- 個人情報保護法第26条第1項に基づく個人データの漏えい等の報告(ランサムウェア事案共通様式)
- 都道府県警察への相談
- その他、共通様式に記載された手続に関する官公署への報告等
共通様式そのものを提出するほか、別途法令等で定められた様式に添付する形で報告することもできます。ただし、提出先と提出方法は各法令やガイドライン、各省庁が公表する方法によることとされており、提出先が1か所に統合されたわけではありません。また申合せは、報告を行う者の同意がある場合には、報告を受けた官公署が内容を内閣官房国家サイバー統括室(NCO)に共有するものとしています。同意するかどうかを対応の最中に個別に判断するのは負担が大きいため、あらかじめ方針を決めておくのが現実的です。
サイバー対処能力強化法との関係
今回の共通様式は、現行制度の下でできる負担軽減として先行して導入されたものです。申合せは、これに続く段階として、サイバー対処能力強化法第5条(特別社会基盤事業者による特定侵害事象等の報告義務)の施行に併せ、官民連携基盤の整備により報告窓口を一元化するよう調整を進めるとしています。様式の統一は、その施行を見据えた過程にあります。
実務対応
インシデント対応の手順書や規程がある場合は、次の点を確認しておくことになります。
- 手順書が参照している様式を、共通様式に置き換えられるか
- 共通様式が記載を求める項目を、初動対応の段階で誰が把握するか
- 国家サイバー統括室への情報共有に同意するかどうかの判断者と基準
記載例も公表されているため、平時のうちに目を通し、埋められない項目があればその情報を誰が持っているかを確認しておくと、実際の対応が速くなります。
ロジットパートナーズ法律会計事務所のサービス
当事務所では、内部統制構築において、インシデント発生時の報告・対応体制の整備に対応しています。手順書や規程への反映(規程・ポリシー整備)や、個人情報保護法に基づく報告の要否といった個別論点の検討(法務コンサルティング)も、あわせて扱います。技術的な事象を報告様式が求める形に落とし込む作業にはシステムの側の理解が要るため、AI・システム開発の実務を踏まえた検討を行います。
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