目次
大田区に所在する不動産の物件調査(主に法令上の制限)における留意点を概説します。羽田空港による航空法の高さ制限など、大田区に特有の確認事項を中心に扱います。
物件調査の全体像と、調査項目の一般的な整理については、品川区の不動産物件調査における留意点をご参照ください。
大田区の物件調査における留意点 - 法令上の制限
大田区の物件については、大田区役所が調査の中心となります。大田区は23区で最大の面積を有し、道路関係など一部の事務では窓口が地域ごとに分かれています。
都市計画・用途地域
大田区は、まちマップおおたにおいて用途地域等の都市計画情報を公開しています。区のウェブサイトでは、地域地区図(用途地域等)および都市計画施設図(都市計画施設・地区計画等)としてPDFも公開されています。
道路
大田区の道路調査で注意すべきなのは、道路台帳と建築基準法上の道路とで参照するシステムが分かれている点です。
「どうろマップおおた」は無料かつ来庁不要で閲覧・取得ができますが、区は、更新作業の関係で窓口の案内と掲載情報に差異が生じる場合があり、新たに境界が確認された箇所などについては引き続き窓口で確認するよう案内しています。また、証明の発行は窓口申請となります。
なお、営業用車両の車庫証明等に用いる道路幅員証明については、担当課が地域ごとに分かれています。大森地区は地域基盤整備第一課、蒲田地区および糀谷・羽田地区は地域基盤整備第二課、調布地区は地域基盤整備第三課が担当します。対象不動産がどの地区に属するかを確認してから照会する必要があります。
都道・国道について
国道および都道は大田区の道路管理の対象外です。国道は路線・区間によって道路管理者が異なるため対象道路ごとの確認が必要になりますが、国が管理する国道1号・15号・357号等については東京国道事務所品川出張所(品川区八潮)、都道については東京都第二建設事務所(品川区広町、品川区総合庁舎8階)が主な照会先となります。いずれも品川区内にあり、大田区役所からは離れているため、現地調査と併せた移動の計画が必要です。
建築計画概要書
建築計画等概要書は、本庁舎7階のまちづくり情報閲覧コーナーに設置された端末で自ら検索して閲覧します。閲覧は無料で、写しの発行は1件300円です。開設時間は平日8時30分から17時までです。
なお、大田区に限らず、物件によっては東京都が所管しており区役所で建築計画概要書が取得できないケースがあります。その場合は東京都都市整備局で閲覧する必要があります。
土砂災害(特別)警戒区域
大田区は台地と低地からなり、その境の斜面地に土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域が指定されています。区は土砂災害(特別)警戒区域についてのページで指定状況を案内しています。
指定区域は基礎調査の見直し等により追加・解除されることがあります。正確な範囲と最新の指定状況は、東京都建設局の土砂災害警戒区域等マップで確認できます。
埋蔵文化財包蔵地
大田区は遺跡が多く、周知の埋蔵文化財包蔵地が236か所(2023年4月時点)あります。照会は区教育委員会が受け付けており、電話・FAX・窓口のいずれでも可能です。
航空法による高さ制限
大田区の物件調査で最も特徴的なのがこの点です。区内に東京国際空港(羽田空港)が所在するため、航空法に基づく制限表面(進入表面・転移表面・水平表面等)による高さ制限が、実際の建築計画を左右する地域が広く存在します。
制限高は対象地点と適用される制限表面によって異なり、空港周辺や進入経路の周辺では、建築物の高さが建築・工事計画に影響することがあります。制限表面を超える物件の設置は原則として認められず、建物だけでなくアンテナ、避雷針、クレーン等も対象となるため、工事中の仮設物にも注意が必要です。
具体的な制限高は、羽田空港高さ制限回答システムで対象地点の座標から確認できます。空港周辺等では、物件調査の初期段階で確認しておくべき項目です。
洪水・高潮
大田区は多摩川に接し、臨海部を含むため、洪水・高潮による浸水想定の確認も重要です。区は洪水ハザードマップを公開しています。水防法に基づく水害ハザードマップについては、宅地建物取引業法上、重要事項説明に際して対象物件のおおむねの位置を示すことが求められています。物件調査では、これに加えて浸水想定区域への該当や想定浸水深も確認します。
大田区の物件調査における留意点 - その他
法務局・都税事務所
登記については東京法務局城南出張所が大田区を管轄します(大田区鵜の木)。大田区では区役所(蒲田)と法務局が離れているため、調査の動線を事前に確認しておく必要があります。
固定資産税・都市計画税等については東京都主税局の大田都税事務所が所管しています。
水道局
水道については東京都水道局大田営業所が管轄です。営業所は区役所のある蒲田ではなく平和島(平和島ベイオフィス内)にあります。
住宅地図・地価
住宅地図は区立図書館で閲覧できます。過去の住宅地図(古地図)の所蔵状況は図書館ごとに異なるため、必要な年次がある場合は事前に確認するのが確実です。
地価公示・地価調査の水準は、東京都不動産鑑定士協会の「東京都の地価」で概観できます。詳細は令和7年地価公示の結果をご参照ください。
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不動産に関する対応
当事務所では、法務コンサルティングおよび争訟・紛争対応において、不動産の売買・賃貸・相続・価格評価に関する事前調査から、紛争・訴訟の対応まで扱っています。不動産鑑定士として評価実務を扱ってきた経験から、価格や賃料の妥当性についても根拠を示した検討を行います。
税務・登記に波及する論点についても事務所内で扱うため、窓口を分けずにご相談いただけます。
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