ロジットパートナーズ法律会計事務所

2026年4月7日

不動産の住所等変更登記の義務化

目次

2026年4月1日から、不動産の所有権登記名義人は、住所や氏名(法人は名称や住所)に変更があったときは、変更の日から2年以内に変更登記を申請することが義務になりました。相続登記の申請義務化(2024年4月)に続く、不動産登記法改正の第二弾の施行です。

制度の全体は法務省の特設ページにまとめられています。

法務省の広報バナー「令和8年4月1日スタート 住所・名前の変更登記が義務化されました」

義務の内容

対象は不動産の所有権登記名義人で、個人・法人を問いません(不動産登記法76条の5)。氏名もしくは名称または住所に変更があった日から2年以内に、変更登記の申請が必要です。

施行日より前の変更も対象になります。 過去の引越しや本店移転で登記記録上の住所が現況と食い違ったままになっている不動産は、経過措置により2028年3月31日までに変更登記を申請する必要があります。古くから保有する不動産ほど、まず登記記録の確認が必要になります。

正当な理由がないのに義務を怠ったときは5万円以下の過料の対象になります。ただし、直ちに科されるわけではなく、登記官が相当の期間を定めて催告し、正当な理由なくその期間内に申請がされない場合に、裁判所への通知を経て裁判所が過料を判断する流れです。

個人の対応(検索用情報の申出)

義務化とあわせて、法務局が職権で変更登記を行う仕組み(愛称「スマート変更登記」)の運用が始まりました。個人の場合、氏名・住所・生年月日などの「検索用情報」をあらかじめ法務局に申し出ておくと、法務局が住基ネットに定期的に照会して変更を把握し、本人への確認を経て、無料で変更登記を行います(検索用情報の申出)。

検索用情報の申出は2025年4月21日から始まっており、国内に住所を有する個人が所有権の保存・移転等の登記を申請して新たに登記名義人となる場合には、原則として登記申請と同時に申し出ることとされています。それより前から名義人である個人は任意ですが、申出をしておけば以後の住所変更のたびに自分で登記申請をする必要がなくなります。検索用情報の申出をしていれば、職権による登記がまだされていない場合でも「正当な理由」があるものとして扱われ、過料の対象にはなりません。

法人の対応(会社法人等番号の確認・申出)

法人名義の不動産については、不動産登記に会社法人等番号が登記されていれば、商業・法人登記における名称・住所(会社であれば商号・本店)の変更が連携され、法人の同意を要せず登記官が職権で変更登記を行います(運用開始は2026年5月15日の予定)。

一方、会社法人等番号が登記されていない法人名義は、そのままでは自動連携の対象になりません。番号の登記事項化は2024年4月以降の登記から始まった仕組みのため、それより前から保有する不動産には番号が入っていないことがあります。この場合でも、会社法人等番号を登記事項に追加する申出(オンラインまたは書面・無料)を行えば、その時点で既に生じていた変更も含めて職権による変更登記の対象になります。申出をしないままだと、本店移転や商号変更の登記を済ませても所有不動産の登記記録は変わらないため、まず番号の登記の有無を確認するのが入口になります。

実務対応の整理

  • 所有不動産の登記記録を確認し、住所・氏名(法人は名称・住所)が現況と一致しているかを棚卸しする
  • 施行日前の変更で未登記のものは、2028年3月31日の期限を踏まえて変更登記を申請する
  • 個人は検索用情報の申出、法人は会社法人等番号の登記の有無を確認し、職権登記の対象に入れておく

保有不動産の棚卸しには、2026年2月2日に運用が始まった所有不動産記録証明制度も使えます。本人や相続人が法務局に請求すると、特定の者が登記名義人となっている不動産の一覧の証明書が発行されるもので、把握漏れの確認に有効です。もっとも、登記記録上に過去の氏名・住所が残ったままの不動産は、現在の氏名・住所だけを検索条件にすると抽出されないことがあるため、必要に応じて旧氏名・旧住所も条件に加えます。

ロジットパートナーズ法律会計事務所のサービス

当事務所では、登記申請において、住所・氏名(法人の名称・住所)の変更登記の申請に対応しています。保有不動産の登記記録の棚卸しや、検索用情報の申出・会社法人等番号の取扱いを含む対応方針の整理も、あわせて扱います(法務コンサルティング)。

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